メンバー紹介

教授
Professor

渡邉 俊樹
Watanabe Toshiki

略歴

1979年3月 東京大学医学部医学科卒業
1981年6月 東京大学医学部第4内科医員
1982年5月-1985年3月 癌研究所研究生
1985年3月 東京大学医学部第4内科助手
1987年5月-1988年3月 米国スクリップス研究所客員研究員
1988年4月 癌研究所流動研究員
1990年9月 東京大学医科学研究所助教授
2004年4月- 現職


その他

・HTLV-1研究会 会長(2008年5月〜2013年10月)
・「HTLV-1感染総合対策等に関する有識者会議」議長(2009年6月〜)
・「HTLV-1特命チーム」メンバー(2010年10月〜)
・厚生労働省「HTLV-1対策推進協議会」座長(2011年7月〜)
・日本HTLV-1学会 初代理事長(2013年11月〜)

日本癌学会
日本血液学会
日本病理学会
日本ウイルス学会
日本分子生物学会
日本免疫学会
日本リンパ網内系学会
日本エイズ学会
日本癌学会評議員
日本血液学会代議員
日本病理学会評議員
日本リンパ網内系学会評議員等。
American Society of Hematology (ASH)
American Society of Microbiology (ASM)
International Retrovirus Association(IRVA)
the International Association for Comparative Research on Leukemia and Related Diseases (IACRLRD)
各会員。IRVA理事
IACRLRD理事(2005)、IACRLRD President(2011)

教育活動

大学院:システム病態医科学、システム細胞情報論、疾患モデルシステム論、システム生体防御学、医療倫理・安全管理学
東京医科歯科大学医歯学総合研究科:HTLV-1ぶどう膜炎の発症機構と病態
医学研究科医学共通講義:成人T細胞白血病とHTLV-1
金沢医科大学:微生物学「ヒトレトロウイルスと疾患」


研究活動

成人T細胞性白血病(ATL)とHTLV-1
・新規NF-kB阻害剤による新たな治療法と発病予防の可能性を示した。
・HTLV-1の潜伏感染にLTRの選択的DNAメチル化が関与する事を初めて明らかにした。
・ATL細胞の遺伝子発現プロファイルの解析から発現シグニチュアに基づく早期診断系の開発を行っている。HTLV-1感染者、ATL患者等のコホートスタディの責任者としてデータベースとバイオマテリアルリソースバンクの構築を行っている。

悪性リンパ腫におけるシグナル伝達異常の病態解明
 ホジキンリンパ腫、NPM-ALK(+)anaplastic large cell lymphoma(ALCL)におけるシグナル伝達異常の解析を行い、ホジキンリンパ腫における構成的NF-kB活性化がリガンド非依存的CD30シグナル伝達による事、NPM-ALK(+)ALCLにおけるシグナル伝達異常の分子機構を解明した。


将来計画

 基礎生物医学の知識と技術を背景に、疾患の生物学=病態を明らかにし、新たな疾患の理解の枠組みを提供するとともに、診断および治療への応用を目指して行きたいと考えています。具体的な研究領域は、リンパ系悪性腫瘍(悪性リンパ腫、白血病)とヒトレトロウイルスです。人の癌のモデルとして、HTLV-1 感染で発症する成人T 細胞性白血病(ATLの発症機構と分子標的療法・化学予防法の開発を目指します。また、ATLに加えてヒトレトロウイルスHIVで発症するエイズの根治療法開発の基礎となる、HIVの潜伏と再活性化のメカニズムを明らかにする研究を進める予定です。


教官からのメッセージ

 生命現象の中で病気に興味を持ちそのメカニズムを明らかにしたいと思う若い研究者を養成したいと思っている。分子レベルでの解析を基盤としつつも、組織や個体レベルの現象が如何に複雑であるかを十分認識し、単純な要素還元主義に陥らずに、疾患と言う複雑な生命現象の理解を目指す持続した意欲を持つ研究者の養成に貢献出来る事を心がけている。